このリポジトリはPHP Webアプリフレームワークである、LaravelのLTSバージョンである5.5の公式英文ドキュメントを日本語へ翻訳しています。
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一番基本のLaravelルートはシンプルにURIと「クロージャ」により定義され、単純で記述しやすいルートの定義方法を提供しています。
Route::get('foo', function () {
return 'Hello World';
});
Laravelの全ルートは、routes
ディレクトリ下に設置されている、ルートファイルで定義されます。これらのファイルはフレームワークにより、自動的に読み込まれます。routes/web.php
ファイルで、Webインターフェイスのルートを定義します。定義されたルートはweb
ミドルウェアグループにアサインされ、セッション状態やCSRF保護などの機能が提供されます。routes/api.php
中のルートはステートレスで、api
ミドルウェアグループにアサインされます。
ほとんどのアプリケーションでは、routes/web.php
ファイルからルート定義を始めます。routes/web.php
中で定義されたルートは、ブラウザで定義したルートのURLを入力することでアクセスします。たとえば、次のルートはブラウザからhttp://your-app.dev/user
でアクセスします。
Route::get('/user', 'UserController@index');
routes/api.php
ファイル中で定義したルートはRouteServiceProvider
により、ルートグループの中にネストされます。このグループには、/api
のURIが自動的にプレフィックスされ、それによりこのファイル中の全ルートにわざわざ指定する必要はありません。プレフィックスや他のルートグループオプションに変更する場合は、RouteServiceProvider
を変更してください。
ルータはHTTP動詞に対応してルートを定義できるようにしています。
Route::get($uri, $callback);
Route::post($uri, $callback);
Route::put($uri, $callback);
Route::patch($uri, $callback);
Route::delete($uri, $callback);
Route::options($uri, $callback);
複数のHTTP動詞に対応したルートを登録する必要が起きることもあります。match
メソッドが利用できます。もしくは全HTTP動詞に対応するany
メソッドを使い、ルート登録することもできます。
Route::match(['get', 'post'], '/', function () {
//
});
Route::any('foo', function () {
//
});
web
ルートファイル中で定義され、POST
、PUT
、DELETE
ルートへ送信されるHTMLフォームはすべて、CSRFトークンフィールドを含んでいる必要があります。含めていないと、そのリクエストは拒否されます。CSRF保護についての詳細は、CSRFのドキュメントをご覧ください。
<form method="POST" action="/profile">
...
</form>
他のURIへリダイレクトするルートを定義する場合は、Route::redirect
メソッドを使用します。このメソッドは便利な短縮形を提供しているので、単純なリダイレクトを実行するために、完全なルートやコントローラを定義する必要はありません。
Route::redirect('/here', '/there', 301);
ルートからビューを返すだけの場合は、Route::view
メソッドを使用します。redirect
メソッドと同様に、このメソッドはシンプルな短縮形を提供しており、完全なルートやコントローラを定義する必要はありません。view
メソッドは、最初の引数にURIを取り、ビュー名は第2引数です。更に、オプションの第3引数として、ビューへ渡すデータの配列を指定することもできます。
Route::view('/welcome', 'welcome');
Route::view('/welcome', 'welcome', ['name' => 'Taylor']);
もちろん、ルートの中のURIセグメントを取り出す必要が起きることもあります。たとえば、URLからユーザーIDを取り出したい場合です。ルートパラメーターを定義してください。
Route::get('user/{id}', function ($id) {
return 'User '.$id;
});
ルートで必要なだけのルートパラメーターを定義することができます。
Route::get('posts/{post}/comments/{comment}', function ($postId, $commentId) {
//
});
ルートパラメータは、いつも{}
括弧で囲み、アルファベット文字で構成してください。ルートパラメータには、ハイフン(-
)を使えません。下線(_
)を代わりに使用してください。ルートパラメータは、ルートコールバック/コントローラへ順番通りに注入されます。コールバック/コントローラ引数の名前は考慮されません。
ルートパラメータを指定してもらう必要があるが、指定は任意にしたいこともよく起こります。パラメータ名の後に?
を付けると、任意指定のパラメータになります。対応するルートの引数に、デフォルト値を必ず付けてください。
Route::get('user/{name?}', function ($name = null) {
return $name;
});
Route::get('user/{name?}', function ($name = 'John') {
return $name;
});
ルートインスタンスのwhere
メソッドを使用し、ルートパラメータのフォーマットを制約できます。where
メソッドはパラメータ名と、そのパラメータがどのように制約を受けるのかを定義する正規表現を引数に取ります。
Route::get('user/{name}', function ($name) {
//
})->where('name', '[A-Za-z]+');
Route::get('user/{id}', function ($id) {
//
})->where('id', '[0-9]+');
Route::get('user/{id}/{name}', function ($id, $name) {
//
})->where(['id' => '[0-9]+', 'name' => '[a-z]+']);
指定した正規表現でいつもルートパラメータを制約したい場合は、pattern
メソッドを使ってください。RouteServiceProvider
のboot
メソッドの中で、このようなパターンを定義します。
/**
* ルートモデル結合、パターンフィルタなどの定義
*
* @return void
*/
public function boot()
{
Route::pattern('id', '[0-9]+');
parent::boot();
}
パターンを定義すると、パラメータ名を使用している全ルートで、自動的に提供されます。
Route::get('user/{id}', function ($id) {
// {id}が数値の場合のみ実行される
});
名前付きルートは特定のルートへのURLを生成したり、リダイレクトしたりする場合に便利です。ルート定義にname
メソッドをチェーンすることで、そのルートに名前がつけられます。
Route::get('user/profile', function () {
//
})->name('profile');
コントローラアクションに対しても名前を付けることができます。
Route::get('user/profile', 'UserController@showProfile')->name('profile');
ルートに一度名前を付ければ、その名前をグローバルなroute
関数で使用することで、URLを生成したり、リダイレクトしたりできます。
// URLの生成
$url = route('profile');
// リダイレクトの生成
return redirect()->route('profile');
そのルートでパラメーターを定義してある場合は、route
関数の第2引数としてパラメーターを渡してください。指定されたパラメーターは自動的にURLの正しい場所へ埋め込まれます。
Route::get('user/{id}/profile', function ($id) {
//
})->name('profile');
$url = route('profile', ['id' => 1]);
現在のリクエストが指定した名前付きルートのものであるかを判定したい場合は、Routeインスタンスのnamed
メソッドを使います。たとえば、ルートミドルウェアから、現在のルート名を判定できます。
/**
* 送信されたリクエストの処理
*
* @param \Illuminate\Http\Request $request
* @param \Closure $next
* @return mixed
*/
public function handle($request, Closure $next)
{
if ($request->route()->named('profile')) {
//
}
return $next($request);
}
ルートグループは多くのルートで共通なミドルウェアや名前空間のようなルート属性をルートごとに定義するのではなく、一括して適用するための手法です。Route::group
メソッドの最初の引数には、共通の属性を配列で指定します。
グループ中の全ルートにミドルウェアを指定するには、そのグループを定義する前にmiddleware
メソッドを使用します。ミドルウェアは、配列に定義された順番で実行されます。
Route::middleware(['first', 'second'])->group(function () {
Route::get('/', function () {
// firstとsecondミドルウェアを使用
});
Route::get('user/profile', function () {
// firstとsecondミドルウェアを使用
});
});
ルートグループのもう一つのよくあるユースケースで、グループ内のコントローラに同じPHP名前空間を指定する場合は、namespace
メソッドを使用します。
Route::namespace('Admin')->group(function () {
// "App\Http\Controllers\Admin"名前空間下のコントローラ
});
App\Http\Controllers
名前空間をコントローラルート登録時に毎回指定しなくても済むように、デフォルトでRouteServiceProvider
が名前空間グループの中でroutes.php
ファイルを読み込み、指定していることを覚えておいてください。これにより、先頭のApp\Http\Controllers
名前空間を省略でき、続きの部分を指定するだけで済みます。
ルートグループはワイルドカードサブドメインをルート定義するためにも使えます。サブドメインの部分を取り出しルートやコントローラで使用するために、ルートURIにおけるルートパラメーターのように指定できます。サブドメインはグループを定義する前に、domain
メソッドを呼び出し指定します。
Route::domain('{account}.myapp.com')->group(function () {
Route::get('user/{id}', function ($account, $id) {
//
});
});
prefix
メソッドはグループ内の各ルートに対して、指定されたURIのプレフィックスを指定するために使用します。たとえばグループ内の全ルートのURIにadmin
を付けたければ、次のように指定します。
Route::prefix('admin')->group(function () {
Route::get('users', function () {
// Matches The "/admin/users" URL
});
});
ルートかコントローラアクションへモデルIDが指定される場合、IDに対応するそのモデルを取得するため、大抵の場合クエリします。Laravelのモデル結合はルートへ直接、そのモデルインスタンスを自動的に注入する便利な手法を提供しています。つまり、ユーザーのIDが渡される代わりに、指定されたIDに一致するUser
モデルインスタンスが渡されます。
Laravelはタイプヒントされた変数名とルートセグメント名が一致する場合、Laravelはルートかコントローラアクション中にEloquentモデルが定義されていると、自動的に依存解決します。
Route::get('api/users/{user}', function (App\User $user) {
return $user->email;
});
$user
変数がApp\User
Eloquentモデルとしてタイプヒントされており、変数名が{user}
URIセグメントと一致しているため、Laravelは、リクエストされたURIの対応する値に一致するIDを持つ、モデルインスタンスを自動的に注入します。一致するモデルインスタンスがデータベースへ存在しない場合、404 HTTPレスポンスが自動的に生成されます。
指定されたモデルクラス取得時に、id
以外のデータベースカラムをモデル結合で使用したい場合、EloquentモデルのgetRouteKeyName
メソッドをオーバーライドしてください。
/**
* モデルのルートキーの取得
*
* @return string
*/
public function getRouteKeyName()
{
return 'slug';
}
明示的に結合を登録するには、ルータのmodel
メソッドで、渡されるパラメータに対するクラスを指定します。RouteServiceProvider
クラスのboot
メソッドの中で明示的なモデル結合を定義してください。
public function boot()
{
parent::boot();
Route::model('user', App\User::class);
}
次に{user}
パラメーターを含むルートを定義します。
Route::get('profile/{user}', function (App\User $user) {
//
});
{user}
パラメーターをApp\User
モデルへ結合しているため、User
インスタンスはルートへ注入されます。ですからたとえば、profile/1
のリクエストでは、IDが1
のUser
インスタンスが注入されます。
一致するモデルインスタンスがデータベース上に見つからない場合、404 HTTPレスポンスが自動的に生成されます。
独自の依存解決ロジックを使いたい場合は、Route::bind
メソッドを使います。bind
メソッドに渡す「クロージャ」は、URIセグメントの値を受け取るので、ルートへ注入したいクラスのインスタンスを返してください。
public function boot()
{
parent::boot();
Route::bind('user', function ($value) {
return App\User::where('name', $value)->first() ?? abort(404);
});
}
HTLMフォームはPUT
、PATCH
、DELETE
アクションをサポートしていません。ですから、HTMLフォームから呼ばれるPUT
、PATCH
、DELETE
ルートを定義する時、フォームに_method
隠しフィールドを追加する必要があります。_method
フィールドとして送られた値は、HTTPリクエストメソッドとして使用されます。
<form action="/foo/bar" method="POST">
<input type="hidden" name="_method" value="PUT">
<input type="hidden" name="_token" value="">
</form>
_method
入力フィールドを生成するために、method_field
ヘルパ関数を使用することもできます。
送信されたリクエストを処理しているルートに関する情報へアクセスするには、Route
ファサードへcurrent
、currentRouteName
、currentRouteAction
メソッドを使用します。
$route = Route::current();
$name = Route::currentRouteName();
$action = Route::currentRouteAction();
組み込まれている全メソッドを確認するには、Routeファサードの裏で動作しているクラスと、Routeインスタンスの2つについてのAPIドキュメントを参照してください。